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ユニットバスが寒い原因 その2

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  前回の続き 床断熱の場合、床下の空間は外と同じですが、ユニットバスの部分は室内の扱いにします。(外気が入らないようにする) 下の写真は奥にユニットバスが見えていて、手前の床下空間と繋がってしまっています。 正解の納まりは、人通口を塞いで空間を分けます。(外部と室内を分ける) ※着手前 通気パッキンと気密パッキンの使い分けがしてある。 ユニットバス周りの土台と基礎の間に気密パッキンが使われていますが、施工者は意味を理解していなかったようです。(気密施工するなら人通口が空いたままなのがダメなのがわかるはず) ※人通口を塞いだ後 ユニットバスの床下の基礎に配管用の穴が空いたまま。 外気が入ってくるので塞ぎます。 ※ユニットバス床下 着手前 ※基礎の配管用の穴 ※穴を塞いだ 手の届く範囲で隙間を塞ぎましたが、根本的な解決は次回のユニットバス入れ替えの時に断熱と気密工事をちゃんと施工し直す必要があります。 正しい納め方

ユニットバスが寒い原因

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  某ハウスメーカーの実例 1.ユニットバスの裏側は隙間だらけ ユニットバスの天井に点検口が付いているので、開けてのぞいて見てください。 ユニットバスは独立して設置してあるので、柱や梁といった構造体に固定していません。(ベタ基礎の土間コンクリートの上に置いてあるイメージ) 築10年未満の比較的新しい住宅でも隙間があいているので、そこから外気が入ってきています。 床下部分も気密性が皆無なので、外気が入り放題です。 つまり、「室内(ユニットバスの壁)→外部→住宅の壁(断熱材入)→外部」という状態になっています。 住宅の壁に使ってある断熱材が何であれ、全く機能していません。 これがユニットバスが寒い原因です。(接している脱衣室も寒いはず) 2.隙間を塞いで室内と同じにする 気密テープや発泡ウレタン、詰め物を用意して隙間を塞ぐ。 外気が入って来なくなり、室内と同じ条件になる。 ユニットバスの寒さがなくなる。(室内を満遍なく暖房するのも忘れずに) 3.本来の納まりにする 床下の隙間も塞ぐ必要があります。 床下空間が狭く、隙間を塞ぎきれない事もあります。 完全に塞げなくても、↑上記のユニットバスの天井裏部分で塞ぐだけでも効果があります。(暖気が上に抜けなくなるので、冷気が下から入ってこない) ユニットバス周りを室内空間と同じにする事が重要です。 DIYでも出来ますし、断熱改修工事として施工できますので、ご相談ください。

U値(熱還流率)と、UA値(外皮平均熱貫流率)の話し

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  「各部位の熱還流率(断熱性能)がU値で、建物全体の外皮平均熱還流率がUA値」 1.U値とUA値の違い U値は個々の部位(部材)の熱還流率の事です。UA値0.46(断熱等級6)の住宅の場合、下記の様なU値になります。(数字が低い値の方が断熱性能が良い) 付加断熱していない外壁0.33(断熱材部分)~0.83(柱などの構造体部分) 樹脂窓0.82(トリプルガラス)~1.4(ペアガラス) 玄関ドア1.2 天井0.21(断熱材部分)~0.7(構造体部分) 床0.35(断熱材部分)~0.8(構造体部分) UA値は上記U値の部位の面積割合を加味した平均値になります。 2.UA値0.46の住宅のU値を個々に比べてみると 例えば、外壁の断熱材部分のU値は0.33とUA値の0.46より低い数値になっているのがわかります。 対して、構造体部分のU値は0.83と、UA値0.46より高い数値になっています。 3.窓や玄関ドアは壁より断熱性能が悪い トリプルガラスを採用しても壁の断熱材部分のU値よりはるかに悪いのがわかります。 サーモカメラで見ても窓や玄関ドア部分は室温より表面温度が低くなります。 4.UA値を良く(低く)するには UA値を良くするには、以下の方法が考えられます。 断熱材の厚みを増やす、もしくは断熱材自体の性能を良くする。(コストアップ) 構造体部分のU値を良くするために付加断熱をする。(コストアップ) 窓、玄関ドアの性能を良くする。(コストアップ) 上記の他に、 そもそも、断熱性能の悪い窓を減らす。(コストダウン) 窓を無くせばUA値は良くなるけど窓は必要。(矛盾が生じる) UA値は断熱性能の値だけなので、UA値だけで住宅の性能を判断するのは良くないのです。他にも気密性能や消費エネルギーシュミレーションなど、検討する必要があります。 5.でも、UA値0.3台を目指してほしい 更に上の性能にするには付加断熱が必要になります。 各部位のU値が良くなり、室内の温度ムラが無くなります。 コストアップになりますが、設計の工夫により同じ予算でも実現可能です。 快適な室内環境に予算をかけて欲しいですね。

C値(住宅の気密の重要性)

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  「断熱性能と共に気密性能を良くする事が重要です」 1 .断熱材の性能を最大限発揮させる UA値(断熱性能)がいくら良くても、気密性能が悪いと温かい家になりません。 気密が悪い家で冬に暖房かけると、温かい空気が上から抜けていって、外の冷たい空気が入ってきます。(いくら温かいダウンジャケットを着ていても、前のチャックを閉めずにいたら寒いのと同じです) 2.結露防止になる 壁の中に冬は室内の湿気を入れない。夏は室内へ湿気を入れない事で、室内の湿度を安定させる事ができ、カビの発生を抑えます。(エアコンは稼働させる必要あり) 躯体の高寿命化につながります。 昔の住宅の壁の中のグラスウールが黒くなっている写真がありますが、これは気密が悪くて、壁の中に外の空気が入ってきてしまい、黒くなった状態です。(カビではなく、大気中のホコリです。換気扇のフィルターが汚れるのと同じ) 3.ちゃんと換気できるようになる 設計通りに換気できるようになります。 気密が悪いと計画通りに空気が動かず、隙間から空気が出入りしてしまいます。高気密住宅は24時間換気で、吸気フィルターを通過した常にクリーンな空気が室内に入ります。 低気密の住宅は外で風が吹くだけで室内の空気が入れ替わってしまいます。これでは冷暖房の効きも悪くなるし、意図しない場所から外の空気が入ってきてしまいます。ホコリやカビの原因にもなります。 4.快適性と省エネ効果 気密性能が良いと、断熱性能を発揮できて、設計通りの換気が出来ることにより、室内の快適性と冷暖房費の削減につながります。 5.気密測定をしましょう 住宅の気密性能を知るために気密測定をします。 C値は0.5以下が理想です。 断熱等級の闇ですが、気密性能の規定がありません。これは同じ断熱等級の住宅でも、気密性能の違いで室内の快適性と消費エネルギーに差ができます。 気密測定をする事で住宅の本当の性能がわかります。 出来れば工事中の気密ライン施工完了時の中間測定と、工事完了時の完成測定の2回行うのがオススメです。(その分の費用は掛かります)

UA値(断熱等級の話し)

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  1.断熱等級とは(5~6地域) 日本の住宅の断熱性能の基準です。 ※気密性能は含まないので注意 断熱等級は1~7まで。数字が大きいほど断熱性能が良くなります。 2025年に新築は 断熱等級4が最低基準 になります。(逆に言うと、今まで無断熱の家を建てる事が出来た) 2030年には 断熱等級5が最低基準 になる予定です。 最終的には 断熱等級6が最低基準 になるはずです。そうしないと、住宅で消費するエネルギーが多すぎるし、健康を損なって医療費が膨らんでしまうので。(国は、損失になるのでなんとかしたいと思っている) 世界の国々は既に断熱等級6~7程度の性能を最低基準としています。(日本は30年以上遅れている) 現在、建てられている多くの新築住宅は断熱等級4~6です。(海外から見たら違法建築になってしまう性能の建物) 2.あなたの家の断熱性能は? 断熱等級4~5(ZEH住宅):断熱材は 床80ミリ 、 壁100ミリ 、 天井150ミリ 、 アルミ樹脂複合サッシ か、 樹脂サッシのペアガラス 、 断熱アルミ玄関ドア 断熱等級6:断熱材は 床80ミリ 、 壁100ミリ 、 天井150ミリ 、 樹脂サッシのペアガラス か トリプルガラス 、 高断熱アルミ玄関ドア 断熱等級7:断熱材は 床150ミリ 、 壁200ミリ 、 天井300ミリ 、 樹脂サッシのトリプルガラス 、 木製高断熱玄関ドア ※愛知県の場合です。建物の断熱性能は断熱材とサッシの組合わせによって決まるので、多少の差はありますが、おおよそ上記の様な構成になっているはずです。 3.断熱等級4~6までの断熱材の構成は同じ サッシの性能を良くすれば、躯体の断熱構成を変えずに断熱等級6になります。 つまり建てる側からみれば、今やっている内容で高性能なサッシを採用するだけで、誰でも断熱等級6の住宅を建てれます。 新築なら最低でも断熱等級6にして欲しいですね。 4.断熱等級7の場合 特殊な技術が必要なわけでは無いです。高性能のサッシと躯体の断熱材を2倍にするだけです。 でも対応できる業者が少ないです。是非ともチャレンジしてもらいたいです。 躯体の断熱材を厚くするには、基本的に外側に付加断熱を採用します。付加断熱する事で、躯体を断熱材で保護する事になるので、劣化防止につながります。(将来、躯体の断熱改修をしなくていい)...

家の燃費と快適性の違い

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 家の燃費と快適性の違い 今住んでいる家の光熱費は把握していますか? 光熱費の違いだけでは表れない快適性の違いを知っていますか? 車を購入する時に燃費も気にしますよね。 住宅の燃費も気にしてください。 家を建てる時に、その家の年間の冷暖房費を事前にシュミレーションします。 一軒ごとに、敷地・建物の向き・断熱仕様・気密性能・窓の位置・大きさ・周辺環境など様々な要件を考慮します。 出来る限り正確なシュミレーションをする事で、最適なプランを提案できます。 (シュミレーションの基準は、冬は20℃夏は27℃に室温をキープし続けた際の冷暖房費の金額です)  高性能な家は冷暖房費が安くなりますが、その分だけ建築コストが上昇します。 費用と効果のバランスが大事ですが、ただ冷暖房費の比較だけでは表れない違いがあります。 それは室内の快適性(無暖房で保てれる室温と室内の温度差)です。 ・真冬のUA値0.4の家だと、20℃の状態で夜暖房を切って、朝になると室温は14~16℃くらいになります。足元と天井の温度差は3~4℃くらいです。 ・UA値0.3以下の家のは18℃~19℃くらいです。足元と天井の温度差は1℃くらいです。ほぼ温度差を感じません。 単純に20℃に保つための暖房費の金額差だけを見て、室内の快適性を犠牲にしてしまってはもったいない。コストが掛かるのはたしかですが、設計を工夫すれば同じ予算でも、快適な暮らしができる家が手に入ります。 広くても温度差がある家がいいか、少々狭くても温度差の無い快適な家がいいかは住む人の自由ですが、快適な家に住んで欲しいと思っています。 ※室温の数値は目安です。住宅の仕様、住んでいる場所、周辺環境によって変わります。

日本の家は寒すぎる

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寒い家はイヤだ 1.本当の高断熱・高気密住宅 断熱等級の義務化となりましたが、それと関係無く、 断熱性能の終点 を目指せばいい。快適な住まいを実現するのに必要な性能です。 多くの人が、断熱性能の悪すぎる住まいに住んでいるので、断熱等級4~6の新築に住めば今より快適になりますが、本当に快適な生活はその先にあります。 将来、多額の費用を掛けて断熱改修するよりも、最初に適切な費用を掛けて、快適な生活を手に入れてください。 そうする事で、将来の断熱改修に掛かる費用は開口部周りのみになり、常に最高の性能を実現できます。