U値(熱還流率)と、UA値(外皮平均熱貫流率)の話し
「各部位の熱還流率(断熱性能)がU値で、建物全体の外皮平均熱還流率がUA値」
1.U値とUA値の違い
- U値は個々の部位(部材)の熱還流率の事です。UA値0.46(断熱等級6)の住宅の場合、下記の様なU値になります。(数字が低い値の方が断熱性能が良い)
- 付加断熱していない外壁0.33(断熱材部分)~0.83(柱などの構造体部分)
- 樹脂窓0.82(トリプルガラス)~1.4(ペアガラス)
- 玄関ドア1.2
- 天井0.21(断熱材部分)~0.7(構造体部分)
- 床0.35(断熱材部分)~0.8(構造体部分)
- UA値は上記U値の部位の面積割合を加味した平均値になります。
2.UA値0.46の住宅のU値を個々に比べてみると
- 例えば、外壁の断熱材部分のU値は0.33とUA値の0.46より低い数値になっているのがわかります。
- 対して、構造体部分のU値は0.83と、UA値0.46より高い数値になっています。
3.窓や玄関ドアは壁より断熱性能が悪い
- トリプルガラスを採用しても壁の断熱材部分のU値よりはるかに悪いのがわかります。
- サーモカメラで見ても窓や玄関ドア部分は室温より表面温度が低くなります。
4.UA値を良く(低く)するには
- UA値を良くするには、以下の方法が考えられます。
- 断熱材の厚みを増やす、もしくは断熱材自体の性能を良くする。(コストアップ)
- 構造体部分のU値を良くするために付加断熱をする。(コストアップ)
- 窓、玄関ドアの性能を良くする。(コストアップ)
- 上記の他に、
- そもそも、断熱性能の悪い窓を減らす。(コストダウン)
- 窓を無くせばUA値は良くなるけど窓は必要。(矛盾が生じる)
- UA値は断熱性能の値だけなので、UA値だけで住宅の性能を判断するのは良くないのです。他にも気密性能や消費エネルギーシュミレーションなど、検討する必要があります。
5.でも、UA値0.3台を目指してほしい
- 更に上の性能にするには付加断熱が必要になります。
- 各部位のU値が良くなり、室内の温度ムラが無くなります。
- コストアップになりますが、設計の工夫により同じ予算でも実現可能です。
- 快適な室内環境に予算をかけて欲しいですね。
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